東洋医学の考えでは、人間には生まれながらに持っている「先天の気」と、飲食物や自然界の外気からとる「後天の気」があるとされます。先天の気は変えることができず、減っていくものなのですが、後天の気は食事で補充することができます。肥満の改善には、食事の見直しと運動によって、しっかりと体質改善していくことが大切です。
1.腸内環境が整っている
肥満を改善するためには、腸内環境を整えることが大切です。ストレスや暴飲暴食などで腸の働きが低下すると、食べたものが滞ってしまうため、悪玉菌が増える原因になります。腸内環境を整えるためには、口から食べたものが胃から腸に運ばれて栄養分を吸収され、残ったものが便として速やかに排泄されることが大切です。
2.基礎代謝が高い
基礎代謝量は年齢とともに低下していきます。年齢を重ねるとともに筋肉量が低下するからです。24時間の総ネルギー消費量は、基礎代謝量(約60%)、食事誘発性熱産生(約10%)、身体活動量(約30%)で構成されています。
基礎代謝はじっとしていても消費されるエネルギーです。肥満改善をするためには、基礎代謝が高いことが大切です。
3.血行がよい
肥満改善をするためには、カラダの中の気や血の流れをよくし、カラダの中の不要な老廃物を排出することが大切です。血の流れが悪くなると、カラダのすみずみまで栄養を届けられなくなります。痩せやすい体質の3つの条件に近づく生活習慣とは、
1.腸内環境を整える
・発酵食品をとる
ヨーグルト・キムチ・チーズなどの発酵食品は、整腸作用や免疫力の活性化などの効果があります。発酵食品は、便秘を解消する働きがあるため、血が不足している血虚タイプの方にもおすすめです。食材の香りや味わいがよいので、食欲がない気虚タイプの方にもおすすめです。
・食物繊維をとる
納豆・ゴボウ・長芋などの食物繊維は、腸内環境を改善する働きがあります。例えば、納豆に含まれる水溶性食物繊維は善玉菌の餌となり、便を形成する働きがあります。長芋は、気を補う作用があるため気虚の方に向いています。食物繊維が含まれている黒豆・小豆などの豆類は、カラダの余分な水分の排出作用があるため水滞タイプの人に適しています。
・消化吸収をよくする
腸の働きをよくするには、決められた時間に食事をすることが大切です。食事の時間がバラバラになると、腸はストレスを感じやすくなるため消化吸収が悪くなります。決められた時間に食事をとる習慣があると、腸は定期的に働くため腸の負担を軽くすることができます。
2.基礎代謝を上げる
・下半身の筋肉を鍛える
基礎代謝を上げるには、下半身の筋肉を鍛えることが大切です。下半身にはカラダの中で大きな筋肉があるからです。下半身の筋肉量が増えると、体脂肪が燃焼されやすくなります。下半身を鍛える方法には、スクワットがおすすめです。水滞タイプの方は、カラダの冷えに注意が必要です。体を温めるためにも下半身を鍛えていきましょう。
・ストレッチをする
肥満改善をするには、ストレッチも重要です。自律神経のバランスや、代謝がよくなります。ストレッチは、血の巡りが悪い血虚タイプの方にもおすすめです。血の巡りがよくなるとカラダのすみずみまで栄養がいきわたり血行もよくなります。水の巡りが悪い水滞タイプの方は、ストレッチで汗をかくのもいいでしょう。
・温かいお湯を飲む
体温よりも温かいお湯を飲むと、内臓が温まるため基礎代謝が上がります。できるだけカラダを冷やさないことが大切です。冷え性を改善するだけでなく、脂肪燃焼をサポートします。ただし、水を飲みすぎるとカラダがむくみやすくなるので、水滞タイプの人は注意しましょう。
3.血行をよくする
・毎日お風呂に入る
血行をよくするためには、湯船に入ってカラダをしっかり温めることが大切です。お湯は38~40度位のぬるめのお湯に浸かりましょう。カラダが冷えやすい瘀血・水滞タイプの方におすすめです。
・適度に運動をする
カラダの血行をよくするためには、定期的に運動することが大切です。運動習慣のない方は、ウォーキングやストレッチなどから始めてみましょう。ウォーキングの時間が長くなればなるほど、脂肪をエネルギーとして利用する比率が高まります。カラダの血行がよくなるだけでなく、体脂肪の減少や肥満改善にも役立てることができます。
・こまめに水分補給をする
カラダの中の水分が不足すると、血液の濃度が高くなるため血液の流れが悪くなります。特に運動をしたあとや、朝起きたあとは水分補給をこころがけましょう。夏の暑い時期は、30分置きなど、こまめに摂取することも大切です。血液の循環が滞りやすい瘀血タイプの方は注意しましょう。
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