ココロやカラダに不調を抱えているのに、こんなことで辛いなんて感じちゃダメ、このぐらいの痛みで逃げちゃダメと、無意識に感じている時はありませんか。不定愁訴は緊張やストレス、多忙な日々、睡眠不足などが続くと起こりやすくなります。この段階では病名がつかないかもしれません。しかし、東洋医学では病気と診断される前の「未病(みびょう)」の時にしっかりと対策することを大切にしています。そこで、つい「隠れ我慢」をしがちな人のタイプ別におすすめの対策やケアをご紹介しましょう。東洋医学では、人のカラダは「気」「血」「水」から構成されていると考えられています。気は元気ややる気の源となるエネルギー、血は血液など全身の組織や器官に栄養を与えるもの、水は飲食物中の水分からできた、カラダをうるおすもののことです。その中でも、女性の一生は「気」や「血」に左右されやすいと考えられています。隠れ我慢をされている方の中には、気や血が足りていなかったり、滞っていたりしているかもしれません。気血水の6つの体質タイプで「気」や「血」に左右される体質タイプは、「水滞(すいたい)」を除いた「気虚(ききょ)」「気滞(きたい)」「血虚(けっきょ)」「瘀血(おけつ)」「陰虚(いんきょ)」です。
『気虚』タイプに多い不調
・体力がなく、すぐに疲れてしまう・風邪をひくことが多い・食欲があまりない・生理の期間が長く、だるい
気虚の方は、漢方の考え方では、エネルギーが不足している状態。睡眠不足や無理なダイエット、体力を消耗している方に多いです。やる気がわかない、元気がないという方も気虚の可能性があります。
気虚タイプの対策とケア
まずは早寝早起きを心がけ、朝食をきちんと食べて代謝を促しましょう。また運動は激しい運動は避け、軽めのウォーキングが向いています。食材は穀類や芋、豆などがおすすめです。うつ病などの病気が原因の場合もあるため、症状が続く場合は、医療機関を受診してください。
『気滞』タイプに多い不調
・ストレスを感じる・怒りっぽい・頭痛が起こりやすい・月経前緊張症(PMS)が強い
気滞の方は、漢方の考えでは、体を流れるエネルギーが滞っている状態。不規則な生活リズムやストレスを抱えてイライラしたり、頭痛や生理前の不調に悩まされたりすることがあります。
気滞タイプの対策とケア
イライラや怒りの原因を取り除く暮らしを心がけましょう。趣味や好きなことに集中する時間を持つことは、効果的なリフレッシュ法です。また漢方では、セロリやニラなどの香味野菜やミネラルを補給すると、気のめぐりが良くなると考えられます。
『血虚』タイプに多い不調
・肌や髪が乾燥する・めまいや立ちくらみがある・目が疲れやすい・生理周期が遅れがち
血虚の方は、漢方の考えでは、体の「血(血液などの体液)」が不足している状態。無理なダイエット時や生理の経血量が多い時に起こりやすいです。睡眠不足も悪影響を与えます。
血虚タイプの対策とケア
夜ふかしをやめて、目を休めるためにテレビやパソコン、スマートフォンを見る時間を短くしましょう。ドライフルーツやナッツ類などを意識的に食べ、お肉や魚など他の食材もバランスよく取り入れることが大切です。
『瘀血』タイプに多い不調
・顔色がどす黒い、クマができやすい・しみやアザができやすい・お腹や下半身が冷える・月経痛が気になる
東洋医学の考えでは、冷えは瘀血の原因のひとつ。とくに生理前や生理中は血行が悪くなりやすいです。また、運動不足やストレスが重なると、ますます血のめぐりが滞る傾向になります。
瘀血タイプの対策とケア
瘀血の方は冷房を控えめにし、シャワーよりも半身浴などで下半身をよく温める習慣を心がけましょう。また軽いストレッチや散歩をすると、血行が良くなります。食材は、辛味野菜や酢を取り入れると効果的。
『陰虚』タイプ
・のどが渇いて水分が欲しくなる・唇や肌が乾燥しやすい・咳が出やすい・便秘がち
東洋医学の考えでは、体内をめぐる「水」や「血」などの陰液が不足し、体にうるおいがない状態です。とくに体をうるおし、熱をさます働きのある水が足りないと、熱によるのぼせや口の渇きを感じやすくなると考えられています。また、肌の乾燥や空咳、便秘傾向も現れやすいとされています。
陰虚タイプの対策とケア
汗のかきすぎに注意して、こまめな水分補給を心がけましょう。そして、山芋や白きくらげ、ゆり根、蓮根などの「白色の食材」がおすすめです。また、アーモンドなどのナッツ類も良いとされています。
隠れ我慢を自覚して、思い切って休む勇気を持とう
ぐっと我慢して何事もなかったように家事や仕事を頑張ってしまう。そんなココロとカラダに負担をかける毎日の積み重ねが、病気につながってしまうこともあります。隠れ我慢をせずに「今日は休みます」「不調を感じています」と言える勇気が、頑張る女性をさまざまな不調から守ってくれるでしょう。不調が続くときは、鍼灸治療がお勧めです。
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