高温多湿な日本の夏。特に昨今は耐え難いほどの暑さに「カラダが重くだるい」「食欲が出ない」「お腹をこわしやすい」「頭痛がする」などといった様々な夏バテ症状を感じる方が増えています。熱中症対策や栄養補給だけでは体力の回復が追い付かないことも。深刻化した現代の夏バテ対策で大事なポイントは“自律神経を整える”こと。自宅でかんたんに取り入れられる自律神経を整える夏バテ対策のポイントを3つ厳選してご紹介します。
*1〈運動〉 自律神経のバランスを整え、副交感神経の働きを助けるためには、呼吸によりカラダに酸素を巡らせて末端に血液を流すようなゆるやかな運動がおすすめです。室内で立ったままかんたんに行える気功体操を試してみましょう。
カラダに流れる生命エネルギーである「気(き)」を巡らせて自律神経を整える体操です。スワイショウという言葉は中国語で「手をぶらぶらさせる」を意味する通り、全身の力を抜いて腕を振るだけの簡単なエクササイズです。遠心力をうまく使うことで体力のない時や高齢者でも楽に動くことができます。遠心力で手の末端まで血流が行きわたるため血行促進も期待でき、夏の冷えにも有効です。とてもかんたんな動きで無心になれるため、夏バテ解消のみならず疲れた脳をリラックスさせる効果も期待できます。
【基本の立ち方】肩幅に足を開いて立ち、膝は軽くゆるめておきます。肩の力を抜き、手は体側に添うようにぶらさげておきます。指は力を入れずに軽く曲げておきましょう。 <やり方>
①基本の立ち方から両方の腕を一緒に前に投げ出します。高さの目安はおへそのあたりでそれ以上高く上げ過ぎないようにしましょう。
②両方の腕が振り子のように下りる勢いを利用して腕をカラダの後ろ側に軽く振ります。
③反動を利用して前後に手を振るのを繰り返します。
④やめる時は急に動きを止めずにブランコをこぐのをやめるように徐々に動きを小さくしていきましょう。
<動きのコツ>
・力を入れて動きをつけたり止めたりしないで腕が自然と振れるのにまかせてぶらぶらと動かしましょう。
・カラダが前後に動いてもかまいません。足の裏で地面を感じてカラダの重心を意識することにフォーカスすると脳がリラックスしていきます。
・1分間に50回くらいのペースで腕を振ります。徐々に時間を増やして数分程度行っても大丈夫です。
※心臓ペースメーカー使用、貧血症、低血圧の方は小さな振り方でゆっくり行い回数は少なめに行いましょう。
*2〈食事〉 疲労を回復させるには夜の安眠のために、しっかり朝食を摂ることがポイントです。安眠を促すセロトニン(幸せホルモン)というホルモンは日中に体内で作られるため、その元となるアミノ酸(トリプトファン)が含まれるタンパク質を朝食で摂っておくことが大事です。朝食べたタンパク質がカラダの中で時間をかけて夜にメラトニンというホルモンに変化するため、就寝時間には副交感神経を優位にする準備が整うのです。さらに食事はゆっくりと噛んで食べることで、唾液による免疫物質の分泌も促され、腸の働きも活性化します。
<タンパク質の含まれる食材>
肉、魚、卵、大豆製品、乳製品
<食欲のない朝におすすめのタンパク質メニュー例>
違う種類のタンパク質を組み合わせるとより効果的です
・温泉卵+かつおぶし
・ヨーグルト+きな粉
・えだ豆+魚肉ソーセージ
・ハム+チーズ
・鮭フレーク+納豆
*3〈入浴〉 暑い夏でも湯舟に浸かってカラダの深部体温をしっかり上げ、寝る前に自然と体温を下げることが睡眠の質を高めるためには重要です。しかしお湯に浸かる時間や気力がないこともありますよね。そんな時のおすすめは、シャワーで首の後ろと骨盤の後ろを温めるテクニックです。副交感神経の束が存在する首(頸部)と骨盤の裏側(仙骨)エリアは筋肉や脂肪が少なくシャワーの熱が伝わりやすいため温めることで効率的にケアができます。リラックスして眠るために、シャワーで副交感神経を刺激するポイントを温めて血行を促進し、自律神経を整えましょう。
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