「低体温」とは、平熱が正常範囲よりも下がっている状態を指します。人の体温には“皮膚温”と“深部体温”の2種類があり、腋下(脇の下)などカラダの表面から測定する温度が皮膚温、脳や内臓などカラダの内側の温度が深部体温です。平熱は人によって異なるとは言え、腋下で測る皮膚温が36.0℃以下の人は、低体温に分類され深部体温が低い可能性が高いと言われます。
人間の24時間あたりの総エネルギー消費量は、基礎代謝量・身体活動量・食事誘発性熱産生の3つに大きく分けられます。基礎代謝量は全体のおよそ60%を占め3つのエネルギー消費量のうち最も大きな割合です。基礎代謝とは生命を維持するために必要とされる最低限のエネルギーのことです。カラダは体温を保つ、心臓を動かす、呼吸をするといった活動をする際、常にエネルギーを使っています。これらの活動は、寝ている時や休んでいる時にも行われます。つまり基礎代謝は生きているだけで使われるエネルギーだといえるでしょう。基礎代謝量は筋肉量が増えるとそれに伴って増加するため筋肉量の少ない小柄な人や女性は基礎代謝量も少なくなります。加齢に伴い筋肉が萎縮したり減少したりするため、年齢と共に基礎代謝量は減っていきます。しかし年齢や性別は変えられなくても、筋力トレーニングによる筋肉の増量や食事内容の見直しをしたり、体温調節に関わる自律神経を整えたりすることで体温を上げる底力を養い基礎代謝を上げることができます。一方、基礎代謝を下げる原因の1つに便秘があります。便秘により腸内環境が悪化すると栄養素をエネルギーとして全身へ送り出す肝臓の働きに影響します。肝臓の働きが鈍くなると、必要な栄養素がカラダに行き渡らず基礎代謝が乱れます。基礎代謝が低下することで糖や脂肪分の分解がうまく行われず、太りやすいカラダになることも考えられます。
①<朝におすすめ>・ウォーキング
運動習慣がない方や体力に自信がない方でも気軽に始めやすいのがウォーキングです。ウォーキングは日常生活の中で無理なく簡単に始められるため取り入れやすい運動の1つです。体温の一番低い朝にウォーキングを行うと、効率良く体温上昇が期待できるため、一度上がった体温を日中もしっかりと維持できます。通勤・通学時間を有効に使う意識を持つと効率的に習慣付けができます。
②<日中におすすめ>・座ったままのジャンプ運動
自宅又は職場の椅子に座ったままジャンプする運動で、手軽に体幹と股関節の大きな筋肉である腸腰筋を鍛えることができます。椅子に座った状態で両足をジャンプするように弾ませましょう。デスクワークで滞りがちな足のむくみ改善にも効果が期待できます。
<やり方> 10回程度を1日数セット
1.おへそが水平方向に向くように骨盤を立てて背筋を伸ばして座ります。(両膝を付けておくと内ももの筋肉も同時に鍛えられます)
2.手は胸の前で組んでおくと効果的ですが、ぐらつく場合は椅子の座面や近くのテーブルなどにのせておきましょう。
3.息を吐きながら両足を同時に上に持ち上げ、できるだけ音を立てないようにゆっくり着地させます。
※カラダが前後に動きすぎないように腹筋と背筋を使いましょう。
※痛みがでない程度に、足は少し浮くだけでも効果はあります。
③<夜におすすめ>・ストレッチ
ストレッチは筋肉や関節を伸ばす運動になるため、血流促進効果が期待できます。夜のゆったりとしたストレッチは一日の溜まった疲れを取り払い、リラックス状態へと導く自律神経のうちの副交感神経を整えるために効果的です。呼吸を止めずに心地よいレベルでゆっくりとした動作で行いましょう。寝る前の習慣にすることで睡眠の質向上にも有効です。
④入浴法で温まる。38~40℃程度のぬるめのお湯に10分程度浸かりましょう(無理をせず季節や体調によって調節しましょう)。ゆったり入浴することで副交感神経が優位になり、リラックス効果も深まります。
⑤温活では、冷たい飲み物やカラダを冷やす食べ物は避けるようにしましょう。過度に避ける必要はありませんが、バランスよく食事や日常生活に取り入れることをおすすめします。
| 体を温めるもの | 体を冷やすもの | |
| 野菜 | 玉ねぎ、人参、等の根菜類、 冬野菜、加熱した生姜 |
レタス、トマト、ナス、 きゅうり等の水分の多い夏野菜 |
| フルーツ | りんご、桃等 寒い地方で採れるフルーツ |
バナナ、スイカ等の南国フルーツ |
| 飲み物 | 白湯、生姜湯、紅茶、ほうじ茶等 温かい飲み物 |
コーヒー、牛乳、緑茶等 冷たい飲み物 |
発酵食品で腸を温めよう!
腸が冷えると、消化機能が落ちて腸内環境が乱れ、便秘や免疫機能の低下、肌荒れなどの不調を引き起こします。腸内を温めるには発酵食品がおススメ。発酵食品に含まれる善玉菌は腸内環境を整え、カラダを温める作用があります。